悲しい話
いつの間にか自分を愛したり、大切にすることができなくなっていた。
いつの間にか人を愛したり、大切にすることができなくなっていた。
そしていつの間にか人のせいにし、物事を歪めて見るようになってしまった。
本来は人が好きだった。
もう一度あの頃のような気持ちに戻りたい。
愛情深い人は好き嫌いが激しい。
好き嫌いがあまりない人は冷めている。
そんな悲しい矛盾がある。
私は満たされない思いと癒されない苦しみを紛らわすために
感情をマヒさせていた。
寂しさはなくなったが、なんの喜びも感動もない日常が続き、
自分はあの頃に取り残されたまま時間が過ぎていった。
「人類の未来はすでに決まっていて、未来は誰かが変えてくれるのを待っている」
という話を聞いたことがある。
悲しくも頭が鈍い私はその理由を論理的に理解することができない。
でもなんとなくわかるような気もする。